冬に必ず編むミトン。
この冬は初めて編んだキャップつきミトンが大活躍だった。
ミトンに特別な位置づけをもたせている国がある。
ラトビア共和国である。
ラトビアのミトンは、様々な模様が編み込まれて美しい。ラトビアでは、ミトンを編むとは言わず、縫うと言う。
小川糸さんの「ミトン」は、その模様の意味や、ラトビアの歴史を背景に、童話で説明してくれる。
模様ひとつひとつの意味は、巻末に平澤まりこさんのやさしいイラストつきで紹介されている。
単に、デザインがきれい、マネして編んでみよう、といった軽い気持ちで編んでは申し訳ない感じだ。日本の着物の柄にも、それぞれ意味があるのとちょっと似てる。
ロシア占領下の時代が長く続いて、文化や言語を否定されても、ミトンだけは許された。防寒具であったから。
辛く理不尽なことばかりでも、ラトビアの人は明るく、慎ましく毎日を生きていく。
ラトビア共和国に行ってみたくなり、ミトンを編みたくなる一冊です。
