2018年10月28日日曜日

カレル・チャペック「こまった人たち」


カレル・チャペックの小品集です。
苦難の人生であったのに、「人間であるがゆえに人間を愛した」という多面的な作家。

平穏な日常の中にある人間社会の不条理。

"もし世界中のすべての人たちが、自分の正しい名前で互いに話しかけることができるとしたら、人間同士の間には少なからぬ変化が起こると思う。
しかし今日、人々や民族は、どうしてか互いに名前を明らかにすることまで行き着けない。これはまことに悲惨な状態ですね、あなた。"

この文章が書かれてから81年が経ち、インターネットの匿名性が、さらに悲惨な状態に突き進めているように思う。

なんだか涙がでた。