2013年1月12日土曜日

今年最初の一冊


今年最初の読書は、「世界で一番シンプルな時間術」です。

20代から30代半ばまで、効率重視、仕事重視の生き方をしていました。
夢を実現するには目標をたてて、タスクを列挙し、毎日がんばる。
仕事は短時間に、たくさんのことを。
短時間にたくさんのことをつめこんで、前へ前へ。
目標に向かって、前へ前へ。
時間の使い方は、大きな関心事でした。限られた時間を、有効に使うにはどうしたらいい?

でも、ベランダで草花を育て始めて、「これって、なんか変だ」と思い始めたのです。
自然にそって生きる草花。お花はその時期にならないと咲かないし、促成栽培はできない。
第一、草花自身にその気がない。
時間をかけることが必要なことがある。しかも、大事なことほど、時間を必要とするらしい。

コンクリートのビルで終日仕事をしていく中で、季節や自然とかけ離れ、自分の感覚がおかしくなっていたのに気がつきました。
そうすると、効率重視の世界に大変な違和感を感じてきたのです。
「こうすると、10分かかったことが、1分でできるのです」
「10倍速で仕事をするんだ」
・・・だから、何?
たくさんあった、効率重視の時間術の本を、全部捨てました。
Time is moneyの呪縛から解放された瞬間です。

時間の使い方を、根本的に考え直してから、自分の人生は大きく変わりました。
ゆっくり時間をかけなくてはいけないことには、時間をかけて急がない。
急いでやらなくてはいけないことは、効率的にやる。
いまは、前へ前へとがんばっていた頃よりも幸福感や満足度が高く、不思議なことに、その頃よりもたくさんのことができています。

この本は、「短い時間にたくさんのことを」に違和感を感じている人に、お勧めです。
Time is Life.

西海岸にいった時、渋滞を回避して迂回したタクシーの運転手がつぶやきました。
「Save life time」
ずっと忘れられない、印象的なひとコマです。

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